退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

宝塚歌劇名曲 100選:「TAKARAZUKA BEST SELECTION 100」を聞いてみた

2014年に100周年を迎えた宝塚歌劇。その記念として、最近10年間を中心とした主題歌などをはじめ、戦前を含む昭和時代のタカラヅカの歴史に残る名曲など、100曲を選りすぐって収録した5枚組CDです。

ちょうど1枚に20曲ずつ収録されています。余裕があるからもっと入れてよと言いたいところですけど、100周年なので100曲です。収録曲から現在の劇団の評価がわかるのも興味深いです。

TAKARAZUKA BEST SELECTION 100

TAKARAZUKA BEST SELECTION 100

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古い音源を聞くのはキツイのでは思いましたが、思いほか聴きやすくなっていたり、新たにモダンなアレンジが与えれたり裏方の人たちの頑張りがわかります。

CDには分厚いリーフレットが付いてきますが、やや不満があります。まず、コスト面から仕方がないのかもしれませんが、スターたちの写真が一枚もないこと。そして歌詞のフォントの色が薄くて非常に読みづらい。2枚目のCDのオレンジの文字はもう罰ゲームかと……。あと欲を言えば、ライブ録音の音源には収録日と劇場名がほしいです。

数日にわたり作業中に流していましたが、とくに印象に残ったのは次の2曲。

前者は1971年に初演されたミュージカル『小さな花がひらいた』からの一曲です。何度か再演されていますが、純名は出演していないはずなので、いつ録音されたの音源か不明です。こうした情報がリーフレットにほしいところです。しかし歌は文句なく素晴らしい。近年のトップ娘役ではダントツの歌唱力です。もはや神レベル。ちなみに、このCDにソロ曲が収録されているのは、娘役ではこの純名里沙のほかに、花總まりの2人だけ(だと思います。先輩の方はちょっと自信ないので…)。

また後者は有名な『無法松の一生』を潤色した『永遠物語』(とわものがたり)からの収録です。芝居のパートも収められていて面白い。実は、このCDを聞いている最中にちょうど読んでいた英語のエッセイに、外国人なのに阪東妻三郎の映画『無法松の一生』が好きだとあったので、印象に残っています。去年、バウホール榛名由梨花總まりで『永遠物語』が再演されたそうですが、東京公演がなくて残念だったいう記憶も新しいです。

さて、タカラヅカの名曲と言えば、今回のようにトップスターだけでなく、エトワールの音源なども発掘して記念CDをつくってほしい。このCDを聞きながら「2番手や娘役にも光を!」と思った次第です。でわまた。

ちなみにアマゾンの商品情報では、だれが歌っているかわからりません。詳しくは「TCAオンラインショップ」を参照してください。