1999年にリリースされ記録的な大ヒットとなった宇多田ヒカルのアルバム『First Love』。ユニバーサル公式バイオグラフィーによれば出荷枚数990万枚とのこと。
部屋に放置されていた雑誌「MUSIC MAGAZINE」(2014年5月号)に、この名盤をリリース15周年を機に振り返るという特集記事があったので手元にあるアルバムを聞きながら、ざっと読んでみる。単独のアルバムが特集されたるのは珍しい。
- 作者:未設定
- 出版社/メーカー: ミュージックマガジン
- 発売日: 2014/04/19
- メディア: 雑誌
アルバムの冒頭、「な・なかいめの/ベ・ルで受話器ーをとったきみー」がいま聞いても神がかっている。記事のなか斎藤奈緒子が、このイントロは中原中也の「汚れちまった悲しみに……」や小林多喜二「蟹工船」の「おい地獄へ行くんだで!」に匹敵すると書いていた。決して大げさではなく「なるほど」と思わせるほど、このイントロには才能が集約されてる。
特集には、15周年盤『First Love -15th Anniversary Edition-』のリリースを紹介する記事があった。この特集はタイアップ企画なのかなと思うと「なんだかなぁ~」という気分になる。
First Love -15th Anniversary Deluxe Edition- (完全生産限定盤)(DVD付)
- アーティスト:宇多田ヒカル
- 出版社/メーカー: EMI Records Japan
- 発売日: 2014/03/10
- メディア: CD
それでも、アルバムの全曲ガイドや当時の日本のミュージック・シーンを振り返る記事はなかなか充実している。この雑誌を手にして、15年前の自分を振り返りながらこの名盤を聞いてみてはどうだろう。