退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

往年の名作相撲マンガ『のたり松太郎』がアニメ化されて『暴れん坊力士!! 松太郎』になってた!

ちばてつや原作の相撲マンガ『のたり松太郎』がアニメされて、4月からテレビ朝日(毎週日曜日 朝6:30)で放送されています。しかし、主人公・坂口松太郎を暴れん坊将軍松平健が声をあてるので「暴れん坊力士」にタイトル変更しました、という誰得のアニメ作品。主題歌も松平健が歌ってます。歌はうまいけど、なんだかなぁ~。

原作の『のたり松太郎』は1973年に『ビックコミック』で連載が始まり、20年余りにわたり続いた長編マンガです。昔、とこやか歯医者にこのマンガが置いてあって、わくわくして読んでいました。ノスタルジー補正があるとしても個人的には名作と言っていいマンガです。

なので今回のアニメ化にも期待していましたが、原作と比べてマイルドな表現になっているのが気に入りません。この作品のキモは松太郎のクズっぷりなのに、それが十分に描かれてない。「根はいいやつなんだ、多少の乱暴は許してあげよう」といったレベルではなっく、すべてがクズなのがこの主人公。でもそこがいい。ニコ生なら「くずうううううううう」という弾幕が流れそうなキャラクター。

しかも未成年の飲酒はダメとばかり、中学校に通う松太郎が既に成人しているという謎設定。クズなのだから未成年でも飲酒するだろうに……。万事がその調子でソフトすぎてつまらない。深夜枠で原作に忠実にシリアスにつくってほしかった。残念です。アニメは松太郎が相撲部屋に入門するために上京したところですが、今後、もう少し過激な描写も混ぜてほしいものです。

さて、昔、このマンガを読んで腑に落ちなかったのは、トンデモないクズの松太郎が元教師の南令子を射止める場面。まあ強ければクズでも優勝できるだろうが、それをきっかけにプロポーズ、そしてふたりは結婚します。当時、令子は松太郎の何がよくてプロポーズを受けたのが釈然としませんでした。多少は人生経験を積んだいまなら、もう一度原作読んだら何か分かるでしょうか。
のたり松太郎 13 (My First WIDE)

【関連記事】