退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『もらとりあむタマ子』(2013)/前田敦子がなかなかいいね

早稲田松竹で映画『もらとりあむタマ子』(2013年、監督:山下敦弘)を鑑賞する。主演は“不動のセンター”だった前田敦子

もらとりあむタマ子 [Blu-ray]

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東京の大学を卒業したものの、父親(康すおん)がひとりで暮らす甲府の実家に戻るが、就職もせず家事も手伝わずにぐうたら過ごす23歳のタマ子が、新たな一歩を踏み出すまでを軌跡を追う。

コメディータッチの作品のなかで前田敦子が新境地を拓いている。コメディアンヌの才能あるかも。父親に逆ギレするシーンなんてなかなかいい。またトップアイドルだった彼女が、オーディションに応募しようとするくだりは、嫌味に感じられないところが微妙なバランスで面白い。

タマ子が「家を出てけって言えないところがダメなんですよね」と父親を評して言うが、父親は娘には言えないセリフだ。息子ならいざしらず……。しかしラストでは、父親はタマ子に家を出るように告げ、新たな一歩を歩み出すところで映画は終わる。そして、星野源の歌う主題歌が流れるという余韻の残るエンディングである。尺が78分と短いのも好印象。無理に2時間にしている映画が多すぎる。

予告編にいいシーンが全部あると書こうとしたら、YouTubeにある予告編が著作権問題により音声がミュートされている。これはひどい。はやく解除されないかな。


前田敦子主演『もらとりあむタマ子』予告編 - YouTube

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