退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

倉田まり子が歌うベストアルバム「倉田まり子」を聞いてみた

図書館の新着リストで倉田まり子のベストアルバムを見つけました。キングレコードのアーティスト・コレクション・シリーズの一枚です。誰かがリクエストしたようです。よくやった!

このアルバムは、デビュー曲「グラジュエイション」(1979)から「青いフォトグラフ」(1983)までのシングル16曲を発売順に収録しています。残念ながらシングル・コンプリートではなく、最後のシングル曲「恋人宣言」(1984)は入っていません。まさに「画竜点睛を欠く」ですね。もはや悪意すら感じます。

また写真はジャケット写真の一枚だけで、がっかりさせられます。ちなみにこの写真は収録から漏れた「恋人宣言」のジャケットを撮影したときの一枚ですね。さらにリマスタリングされておらず音質も悪い、完全にやっつけ仕事です。

倉田まり子と言えば、当時としては群を抜くプロポーションで無垢な少年の視線を集めてました。このアルバムにも収録されている「恋はAmi Ami」(1981)で披露したミニ・スカートで美脚を強調した振り付けはアイドル史に残るパフォーマンスです。

ルックスだけはなく歌唱力もなかなかのものでした。NHKの人気歌番組『レッツゴーヤング』のサンデーズのなかでも光っていたし、あだち充原作のアニメ『ナイン』のアニソンでも堂々の歌唱力を披露しています。ルックス・歌唱力に加えて、頭の回転もよく三拍子揃ったアイドルで私のお気に入りのひとりでした。

デビュー以来、芸名の「倉」の字をもらったとされるたヒットメーカー・都倉俊一から何曲も楽曲が提供され大成が期待されました。しかし、これだけ条件が揃っても国民的なヒットには恵まれず芸能界の難しさを感じさられたものです。そして、1985年には忌むべきスキャンダルに巻き込まれて芸能界を去ることになります。事務所がもっとしっかりしていれば悔やまれるばかりです。

倉田が引退後ビジネス界で成功していることはよく知られています。数知れず辛酸を舐めたことは想像に難くありません。まさに人生いろいろ。そして、いまやセミナー講師を務める彼女が生徒たちにカラオケを披露したという風のうわさも伝わってきます。うらやしいぜ。

【補記】キングレコードは後年、新たに倉田まり子のベストアルバムをリリースしています。こちらは20曲入りで、「恋人宣言」も収録されています。やれば出来る子なんですね。つーか、最初から仕事してください。