退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『クロニクル』(2012) / 予想していたよりシリアスだったよ

新文芸坐で映画「クロニクル」(2012年、ジョシュ・トランク)を観てきた。同時上映は『グランド・イリュージョン』。

舞台はシアトル。3人の高校生が謎の地下施設に接触してサイコキネシスの能力を獲得し、次第に暴走していく様子をモキュメンタリーの手法で描く。常にカメラがまわっている設定。超能力を使ってカメラで撮影していると言えば、「これは誰が撮っているの?」というツッコミをかわせるて便利だ。

予告編をちらりと見たときは、映画「超能力学園Z」みたいなコメディかな、と思ったがまるでちがう。最初のうちは高校生らしいイタズラをしている程度だったが、次第にエスカレートして最後は大変ことに……。

アンドリューの母親の病状が悪化すると薬を買うために超能力を使って強盗する。もっとうまく金を手にする方法があるだろうにと思うが、やはりまだ高校生だ。健康保険制度が整ってないことや、強盗に襲われた店主がすぐに銃を持ちだしたりするところは実にアメリカらしい。

終盤シアトルの街で大暴れした後の結末は悲劇的でしんみりさせられが、印象的な幕引きで余韻が残る。拾い物の一作でオススメです。前半部で、超能力をもっとエロ方面に使うともっとよかったかも。


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