退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

岸川真『フリーという生き方』

フリーという生き方 (岩波ジュニア新書)

フリーという生き方 (岩波ジュニア新書)

フリーランスの編集者である著者が、若い世代向けに書いた本。これを読んで就職した方がいいと思う若者は多いだろうが、「フリー」の生きざまが伝わってきて興味深く読んだ。一途に仕事に邁進する筆者の姿勢は輝いている。

駆け出しの頃、貧乏している様子は生活感に滲んでいて迫力がある。まず生活ありきというのは、社会人からは当たり前のように思うが、就職を控えた若い人向けのメッセージとしては貴重であろう。

また一映画ファンとしては、新藤兼人佐藤忠男ら映画関係の重鎮たちに薫陶を受けてところはすごいなと思った。巡り合わせもあるだろうが、きっと筆者の人柄が大きいのだろう。

いずれにしても、「フリー」といっても人間関係と無縁になれるわけではなく、むしろ仕事をするうえで人との紐帯がより一層大切になるあることがよくわかる。

ちょっと気になったのは、せっかく入学した大学を辞める決意をした時の心情だ。地方だとセカンド・スクールでも行きながら大学を卒業するという選択はないのかな。大学もゼミに配属になって教授やゼミ生との交流も意義があるのではないかと思った。まあ教員次第だけど…。

あと「日常のテンポ」というルールが参考になったので、書き写しておく。 私も朝散歩してみようかな。

1. 朝起きたら、散歩を短くてもする
2. 午前中、なにか必ず書いてみる。日記でもよし
3. 開店時間と閉店時間を必ずきめておく
4. 朝昼夜のご飯の時間はある程度きめておく
5. 休憩時間もきちんと固定化
6. 週の仕事日を決める。休みは必ずとって仕事しない!