退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

NHKで「怖い絵」の番組が始まっていた

今月から、NHK教育テレビ「知る楽」で「『怖い絵』で人間を読む」という番組(全8回)が放送されている。気づくのが遅れたので、第2回のエリザベート皇后の回から見始めた。

「怖い絵」というのは、この番組の語り手の中野京子さんの著書である。歴史的・文化的知見を基に西洋絵画を読み解き、恐怖の背後にある人間の真の姿に迫る試みである。この本は、以前読んだことがあり、筆者はどんな人なのか気になっていた。こうした文章を書いたのが妙齢の美人だったらすごいなと思ったものだ。当時ネットで検索してもあまり情報がなく、疑問は残ったままだった。

昨年、六本木で「ハプスブルク展」が開催されたとき、予習として中野京子『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』をおもしろく読んで展覧会に行ったりもした。また、中野さんはハプスブルク展の公式サイトに寄稿していたが、顔写真はなくて、「あまり表に出たくないのかしらん」と思っていたのが、今回まさかのテレビ出演に驚いた。

まあ妙齢ということはなかったが、以前からの「どんな人なんだろう」という思いが氷解して安堵した。正直、番組のネタは著作にすでに著されているもので、エッセイを読んだ方がいいかなとも思うが、絵画に関連する宮殿などの映像が威風堂々映されるのには惹かれる。ただ、狙い過ぎのテロップや絵画の撮り方は、ちょっと趣味ではないかも。

残り6回だけど、番組を楽しみ観るつもりだ。