- 作者: 上野千鶴子
- 出版社/メーカー: 法研
- 発売日: 2009/10
- メディア: 単行本
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私が男だということもあって、前著『おひとりさまの老後』より面白く読んだ。強く感じたのは、「人間は死ぬ時期も死に方も選べないな」ということだ。まあ自殺はその限りではないでろうが、ひとまず措くことにする。だからこそ老後の様々な問題が起きるとも言えるだろうが、こればかりはどうしようもない。
介護については差し迫った問題でないので、正直、ピンとこないのだが、さまざまな事例を読んで勉強になった。そろそろ親のことは考えないといけないのかも…。
いちばん興味深く読んだのは、第4章「ひとりで暮らせるか」。そのなかで「ありあまる時間をどうつぶすか」という項があり、時間をつぶすには仲間やノウハウが必要であるという(p.197)。時間がありあまる状態は学生時代以来ないけれど、ヒマをつぶすのはたいへんなのだろうか。こればかりは、結構ひとりでもなんとかなるような気がする。
また、この章には「男ひとりさま道 10ヶ条」(p.227)が挙げられている、なるほどと思うことも多かったので書き写しておく。せめて衣食住は自立できる程度は身につけたいと思った次第である。
第1条 衣食住は自立の基本のキ
第2条 体調管理は自分の責任
第3条 酒、ギャンブル、薬物などにはまらない
第4条 過去の栄光を誇らない
第5条 ひとの話をよく聞く
第6条 つきあいは利害関係を離れる
第7条 女性の友人には下心をもたない
第8条 世代のちがう友人を求める
第9条 資産と収入の管理は確実に
第10条 まさかのときのセーフティネットを用意する
あと全編を通してお金持ちの事例が多いなと感じた。今後、世代内で経済的格差が大きくなった世代が老後を迎えると、別な問題が露呈するのだろうと思う。