退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

医学と芸術展@森美術館

六本木ヒルズの森美術館で開催中の「医学と芸術展」に行ってきた。「科学(医学)と芸術が出会う場所としての身体」をテーマにしたユニークな展覧会。

目当てのひとつは、英国ロイヤルコレクションのダ・ヴィンチ作解剖図3点。広いスペースでゆったり見ることができた。鏡文字を使っていたことを再確認。

ほかに惹かれたのは円山応挙の「波上白骨座禅図」(画像はこちら)。タイトルのとおり、波の上で座禅を組む白骨の図である。波でうねっている海であっても、海面下は静かであると説いていると伝わっている。そのような境地にありたい願うのだが、なかなか難しい。

古今東西の医学書がたくさん展示されていたが、以前手塚治虫の医学生時代のノートを見たことを思い出した。このような写実的な描写は医学における伝統的技術のひとつなのかもしれない。

テーマが医学ということもあり、「ここから先はグロだから注意」(意訳)という表示のあるコーナーもあって、万人受けする内容ではないかもしれないが、生命の神秘に思いをめぐらせながら興味深く鑑賞できた。

また音声ガイドを無料で借りれたのはよかった。混雑時は全員に貸し出すのはむずかしいかもしれないが、ポイントアップだ。

余談だが、この展覧会のチケットで六本木ヒルズの展望デッキに入場できる。鑑賞後、都心を見下ろして大きな気持になるのもいいかもしれない。