新文芸坐で「トラック野郎」の二本立てを観る。雑誌「文藝春秋SPECIAL“映画が人生を教えてくれた”」からのプログラムとのこと。今回の上映作は次の2本。
「トラック野郎」シリーズ(全10作)は、お下劣ネタが受け入れられないので、これまでも敬遠していたが、鈴木則文作品ということもあり、気まぐれで見てみた。
ヤクザにイメージが強かった菅原文太が、ヨゴレ役を演じていることにも驚いたが、自ら企画を持ち込んだと聞いてさらに驚いた。今回2本続けてみて、パターンがある程度わかった。松竹の「男はつらいよ」のスタイルを踏襲しているとも言えるが、作品のトーンがまるでちがう。「下ネタ」満載のドタバタや派手なカーアクションは、「寅さん」にはない要素だし、権力を象徴している警察を徹底的に揶揄するというのも新鮮である。いかにも東映的というべきか。というものの、マドンナと恋愛や人情噺には、ほろりとさせるものがあり、「寅さん」研究の成果も伺える。
それでも「下ネタ」は今見てもやはり苦手ということを告白しなければならない。それでも、第1作と、石川さゆりが出演している最終作は見てみたい。
「〜男一匹桃次郎」はシリーズ第6作。デビュー当時の夏目雅子が出演しているが、バタくさいというか、あまり美人でないので驚く。後年、映画「鬼龍院花子の生涯」で「なめたらいかんぜよ」というセリフで一世を風靡したのが、1981年だから、女は変わるものだ。それにしても、清水健太郎の演技が稚拙なのは目に余る。何とかならなかったのか。
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「〜爆走一番星」はシリーズ第2作。マドンナはあべ静江。太宰治に傾倒する菅原文太にも笑えるが、見どころは田中邦衛が扮するトラック野郎・ボルサリーノ2だろう。しびれる。劇中、愛川欽也が演じる「やもめのジョナサン」が元・警察官であることが明らかになるが、どんな話だったのだろう。第1作が見たくなった。
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