退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『戦国自衛隊1549』(2005)

戦国自衛隊1549」(2005年、手塚昌明)をDVDで鑑賞する。江口洋介がバイク事故が報じられたからというわけではないが、レンタルショップで目に留まったので借りてきた。

戦国自衛隊1549 [DVD]

戦国自衛隊1549 [DVD]

陸自の車両が多数登場するのは確かに見どころなのだが、この作品では根本的に欠けているところがある。観客がこうしたタイムスリップもので期待するのは、やはり「現代兵器 vs. 戦国軍団の戦い」のシーンではないだろうか。千葉真一が主演した旧作「戦国自衛隊」(1979年、斎藤光正)もそれほどの名作とは思わないが、スケール感に問題があるにしても、そうした期待に応えてくれていたが、本作にはそうしたサービス精神が乏しい。

AH-1S コブラで敵陣地を焼き払い、90式戦車で雑兵どもを踏み潰すというシーンが見たかった。本作では、タイムスリップした第三特別実験中隊が戦国時代に君臨する過程で、現代兵器を使用した戦闘を経験しているのだが、短い回想シーンで描かれるだけなのはおおいに不満。

SFとしてもツジツマの合わないことが多すぎて納得できない。どうせなら、半村良の著した正統の続編である『続 戦国自衛隊』を映画化して、「関が原の戦い」「大坂の役」を壮大なスケールで描いてほしい。まあ、自衛隊が米軍と戦うとなると陸自の協力は得られないかもしれないが…。

出演陣では、伊武雅刀綾瀬はるかが良かったが、駄作を救うまでに至らない。とにかく細かいことはいいから、陸自が戦国時代で大暴れするという一点を追求するべきであろう。期待が大きかっただけに残念な仕上がりの映画。