退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

レスラー

シネ・リーブル池袋で「レスラー」(2008年、ダーレン・アロノフスキー)を見る。

レスラー スペシャル・エディション [DVD]

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ミッキー・ローク扮する過去の栄光を忘れられないロートル・プロレスラー、長く疎遠になっている娘、そして子持ちの年増ストリッパーが登場する、一言で言えば、すごくベタな映画である。

私はプロレスにあまり興味がないが、この映画でのプロレスのシーンには圧倒される。ただ、主人公が命を賭けてまでリングに固執する理由は鑑賞後も判然としない。他の生き方はできなかったものかと思うが、男の性と呼べばいいのだろうか。

当初、ニコラス・ケイジを主演に起用する話があったが、監督の頑なな主張によりロークが主演することになったそうだ。ロークが演じることで、主人公と彼自身の人生を重ねることができ、そのことがこの映画の特徴を成しているとも言え、ロークの起用は奏功している。

またエンドロールに流れるブルース・スプリングスティーンの歌がすばらしいのも特筆できる。エンドロールで席を立たないように。本作の全米での封切館はわずか4館だったというが、東京でも新宿に上映館がないなど決して多くない。多くの人に見てほしい映画なのに残念である。