クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの (朝日新書)
- 作者: 西田宗千佳
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/01/13
- メディア: 新書
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しばらく積読になっていた本だが、ようやく読んでみた。「クラウド・コンピューティング」いう流行語をキーワードとして、最近のIT関連の話題がよくまとまっている。業界に詳しい人にとっては、既知の話題も多いかもしれないが、何らかの発見があるのではないか。読みやすく容易に読み終えることができるので、読んで損はないだろう。
紹介されていたなかに、「エバーノート」(Evernote)というメモの統合管理サービスがあった。サイトをチェックして、モバイル機器と同期するのは、ちょっといいなと思ったが、iPhone, BlackBerry, Windows Mobile用のソフトはリリースされているが、Symbian OSには未対応の模様。残念。
あとジェフリー・ムーア(Geoffrey Moore)のキャズム理論が載っていたのは驚いた(p.210)。1991年に出版された“Crossing the Chasm”に出ていたと記憶しているが、いまでも適用できるものなのか。ちなみに、この“Technology Adoption Lifecycle”の図はこちら。現在クラウドは、「アーリー・アダプターズ層」に受け入れた段階だとし、これからキャズム(chasm)を越えようとしていると述べている。
これを含め第5章「クラウドの課題と未来」には、とくに著者の識見が顕れているので、批判的に読み進めるのも面白いかもしれない。