退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『愛しのハーフ・ムーン』(1987) / 滝田洋二郎監督による青春群像劇。お目当ては伊藤麻衣子だけどね

銀座シネパトスのレイトショーで「愛しのハーフ・ムーン」(1987年, 滝田洋二郎)を観る。先般、「おくりびと」が、第81回米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞して、一躍話題となった滝田監督作品を振り返るという趣旨の特集上映のラストの作品だった。詳細はこちら

原田美枝子の同名小説の映画化。結婚を控えたカップルを中心にライトタッチで描く青春群像劇。なんといっても見どころは伊藤麻衣子(現・いとうまい子)のベッドシーン。相手役は人畜無害そうな石黒賢

いま見ると、たいした露出でもないが、童顔で清純派というイメージに加えて、その後脱いでいないことに思いを寄せると、なかなか興奮する。この濡れ場は、半ば騙し討ちのように撮影されたそうで、本人にも複雑な思いがあるらしい。しかし、どうせなら思いっきり脱いで、若い肉体をフィルムに焼き付けてほしかったなと勝手に思ってしまう。そんな伊藤麻衣子も、今年、結婚したとのニュースを聞いた。お幸せに。

あと特筆すべきは、堀江しのぶの存在感。奔放に生きる伊藤の姉を好演していている。肉感たっぷりで黒の下着姿も披露しているだけでなく、役者として非凡なものを感じさせるが、本作の翌年23歳で夭逝している。

滝田監督特集のラストが、なぜこの作品なのかはわからないが、DVD未発売の本作が劇場で上映されるのは貴重。

これを観て、同じく伊藤麻衣子主演の「愛の陽炎」(1986年, 三村晴彦)(なんと脚本は橋本忍)を見たくなった。これもDVD未発売のようだ。


【追記】本作のDVDがリリースされました。