退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『お受験』(1999)

銀座シネパトスのレイトショーで「お受験」(1999年, 滝田洋二郎)を観る。先般、「おくりびと」が、第81回米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞して、一躍話題となった滝田監督の作品を振り返るという特集上映。詳細はこちら

お受験 [DVD]

お受験 [DVD]

矢沢永吉が実業団のマラソン選手という設定には意外性があるが、やはり競技シーンでの走りは素人なので萎える。まあスポーツ映画には、どうしてもこの手の問題はあるのだが、陸上競技ではそれが目立つ。

ラストランとなる湘南マラソンに賭けるまではいいのだが、そのあと詰めが甘い。とういうか観客を舐めているとしかいえない。江ノ島の線路を走る矢沢なんて見たくなかった。シリアス路線で終盤まで持っていってほしかった。

最後の名門小学校の入試での面接担当が、岸部一徳もたいまさこだったので、なにか面白いことをやってくれるかと思ったが、あっさり終了。もったいないぞ。

子役の大平奈津美のかわいさは加点に値する。

「お受験」や「リストラ」は今日では珍しくなくなった。時代の方が先行してしまうと、本作のような当時の時代性を取り入れた映画は、評価が厳しくなってしまう。