退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

少年メリケンサック

近くのシネコンで「少年メリケンサック」(2008年, 宮藤官九郎)を観た。

少年メリケンサック スタンダード・エディション[DVD]

少年メリケンサック スタンダード・エディション[DVD]

宮崎あおいのファンではない(でも『篤姫』は見ていた)ので、彼女の魅力が十分に引き出されていただけでは満足できないが、まあ結構おもしろかった。

というものの、小ネタをつないでいくだけという監督の作風にはどうしても共感できないなあ。この映画でいえば、「少年メリケンサック」のメンバーの解散後から現在までの生き様を丹念に描いてほしかった。

それでこそ、メンバーの人間像を深く掘り下げることができ、バンド再結成への思い入れが描けるはずだ。せっかく錚々たるキャストを配しているのにもったいない。小ネタを削っても、そうした全体のプロットを大切にしてほしかった。

冒頭のユースケ・サンタマリア宮崎あおいの掛け合いがすごくよかったので期待が高まっただけに、ちょっと後半以降は残念だったかも。

でも宮崎あおいのすごさは、あんなもんじゃないと思う…。他の監督も彼女の隠れた魅力を発掘するのに挑戦してほしい。

あとパンクとか全然わからないけど、これさえあれば暴力は免罪されるのか。全編を通して、「パンク魂」という粗野な感じにどうもなじめなかった。パンクってなんだ。

少年メリケンサック オリジナル・サウンドトラック

少年メリケンサック オリジナル・サウンドトラック