石黒圭『文章は接続詞で決まる』

文章は接続詞で決まる (光文社新書)

一般の人に向けて「接続詞」を体系的に分類・説明した類書をこれまで知らなかったので、とても新鮮な印象を受けた。筆者は、当初、本書を文章指南本として書き進めていたらしいが、接続詞に焦点を絞るように方針を転換したのは正解だったといえよう。これは編集者の手柄というべきか。

本書は、各接続詞の解説がわかりやすく、例文が巧みかつ豊富なのが良い。また巻末に索引が付いているので、辞書的に使えるだろう。手元に置いておきたい本だ。参照するにあたり、接続詞の分類と簡単な説明を載せた別表になっていると、さらに便利だと思う。

今後の要望としては段落間の接続についてもう少し解説を読んでみたい。さらには、英文エッセイを書くときに最初に教わるパラグラフ・ライティングとの対照において、日英の接続詞の用法の比較などを論じてほしい。