退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『グーグーだって猫である』(2008)

目黒シネマで「グーグーだって猫である」(2008年、犬童一心)を観る。

冒頭、これは吉祥寺のPRビデオかと思ったが、東京以外の人も観るから仕方ないのか。しかもあまりに紋切型にすぎる。さらに観ていくと、結局あまり吉祥寺を強調する必然性は感じられなかった…。タイアップの都合なのかと勘ぐりたくなる。

この映画は、ネコ好きに思い入れのある人にとっては、特別な思いを抱いて観ることができるかもしれない。エリザベスカラーの薀蓄も披露される。

動物を中心に据えた軽いコメディタッチの映画かと思ったが、主人公が重病で入院するあたりがからシリアスになり、あまりのんびりと観られる映画ではなくなる。人生を考えさせられる深いテーマを感じるが、期待していたものとはちがう。

出演者については、漫画家を好演している小泉今日子の佇まいには雰囲気があるし、上野樹里の若々しさもいい。この二人でグンと引き締まる。ただ私のなかでは上野樹里については、「のだめ」の印象が抜けないが。

鑑賞後、原作を読んでみたくなった。きっと映画とは違う味わいがあるにちがいない。