小粒だけど気持ちのいい映画。動機は思い出せないが、たしか公開時にテアトル新宿で観た記憶がある。深夜にテレビで放送されていたので観てみた。
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瀬戸朝香と市川実日子の姉妹がプロの女流棋士という設定がユニークである。そうした職業の人が周りにいないので定かではないが、勝負師として余人にはわからないプレッシャーはあるのだろう。また姉妹の勝気なキャラクタも、うまく描かれている。
瀬戸は、成績が悪く追い詰められて、夫の塚本晋也に対し、「将棋に負けたらメシなし」とか、「降級したら離婚」という態度をとるが、これは夫としてはツライものがあるな。ワガママすぎ。それに対し、塚本の器量には感服する。ま、普通ならその時点で破局だな。
この映画では、瀬戸が、降級がかかった大一番の対局にたまたま勝つことができ、夫婦の危機を回避し、かえって夫婦の絆も強まる。つまりハッピーエンドを迎える。仲直りして、ふたりで将棋を指す場面は、なかなかよろしい。
でも、結局は勝負事なので、勝つこともあれば負けることもあろう。勝っているときは、夫婦円満でも、いつかは破綻するのではと心配になった。
また映画の本筋からははずれるが、瀬戸夫婦のマンションのインテリアはすばらしい。一見の価値がある。あまり生活臭が感じられないが、現実離れしたデザインでもなく、ちょっといいなと思った。
瀬戸朝香の低い声での激しいセリフに、人知れず魅力を感じる御仁にもお薦めする。