退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

ノキア、日本から撤退

ノキアが、日本市場での携帯電話端末の販売を打ち切ると発表した(ニュースリリース)。

今回の販売打ち切りの対象は、ノキアブランドで提供している端末(いわゆるStd端末)だけでなく、SoftBankなどのキャリアブランドで販売されているモデルも含むということだ。端末に関しては日本国内市場からの全面的な撤退を意味する(ケータイWatchの記事参照)。

本日、28日はN82の発売日だというのに、なんというタイミングだろうか。N82は予定通り発売されるが、今後発売予定であるE71は幻になる可能性が高そうだ。昨日、N82モックアップを見てきたが、このモデルが日本語化される最後のノキア端末になる公算が高くなった。こうなったら、記念に突撃して2年ほど使ってみてもいいかなと思っている。

日経ネットの記事によれば、ノキアの世界シェアが38%であるのに対し、日本市場ではわずか0.3%程度にとどまっているとある。日本の携帯市場は、世界標準との違いが大きく、「ガラパゴス」と呼ばれるほどであるが、ノキア端末が市場に受け入れられなかったことは事実である。

今回の撤退の原因を詳細に分析することで、携帯電話の日本市場の特殊性だけなく、わが国の通信行政からオタク文化まで、広範な知見が得られるだろう。消費者が不利益を被らなければ、自由競争は歓迎すべきだと思うが、このケースはどうだったのか興味がある。ただ、世界トップシェアのブランドの商品が、日本で選べないというのは、ガジェット好きとしては寂しく思う。

最後に、Engadgetの”Nokia pulls out of Japan, nobody notices”という記事が面白かったので紹介しておく。写真の”Abandoning Japan”というコピーが辛辣である。この記事では、ノキア全体に占める日本のシェアは1%程度となっている。これでは、事業継続は無理というものか。

さよなら、ノキア…。また会う日まで。

NOKIA