NHK-FMで1978年から1986年にかけて放送していたラジオ番組「サウンドストリート」が、「NHK青春ラジカセ」というサイトで無料配信されている(Internet Watchの記事)。
さっそく聴いてみた。カセットテープをモチーフにしたユーザインタフェースが楽しい。聞きたいカセットテープを選択して、テープが回転するFlashアニメーションを表示しながら、番組を再生する趣向である。
残念ながら、著作権の関係で楽曲は編集で取り除かれていて、収録されているのはDJのトークのみである。しかし、トークにかぶった部分の曲は残っているので、雰囲気は十分に伝わる。
何もかも、なつかしい。とくに坂本龍一、渋谷陽一はよく聞いていたものだ。執筆時点にはアーカイブにはないが、ぜひ烏丸せつこを聞いてみたい。
興味深いのは、音源がNHKで保存していたものではなく、リスナーが録音したテープを募集して、アーカイブ化している点である。サイトには次の謝辞が載っている。
『サウンドストリート』放送当時、NHKにはFM放送テープを保存する制度がなく、残念ながらほとんどのテープが残っていません。そこで今回、多くの方から番組を録音した貴重なテープを提供していただき、この企画が実現しました。ここに改めて、お礼を申し上げます。
当時は「FM fan」 などのFM情報誌もあり、エアチェック(死語?)という文化があり、放送をテープに録音していたリスナーが多かったのだろう。
今日、デジタル放送に様々は制限を設けて、ユーザが放送内容を保存できないようにしている。こうした制限と、今回のようにリスナーの手で番組が保存されていたこととを対比すると、いろいろ考えさせられることがあるのではないか。