退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

『引き裂かれたカーテン』(1966)

ポール・ニューマンの訃報をきいて、彼の出演作を見てみたくなり、『引き裂かれたカーテン』(アルフレッド・ヒッチコック, 1966年)を借りてきた。本当は『暴力脱獄』(Cool Hand Luke)を観たかったのだが見あたらなかったのだ。

冷戦時代のドイツを舞台にしたスパイアクションで素材は悪くない。しかしヒッチコック作品で期待値は高いせいか、なんとなく物足りない。じゃ、おもしろくないかといえば、そんなこともないのだけど。

結局、主役二人がミスキャストなのかな。ま、ジュリー・アンドリュースがいつ歌い出すかと思ったりしたし、ニューマンもそれほどよくなかったな。映画はむずかしい。

後半の脱出劇のバスのシーンが印象に残る。さすがに技巧的であり、いかにもヒッチコック的である。また全編を通して監督が東側陣営を嫌悪する態度が滲んでいたいようにも思った。