古典新訳で話題をさらった、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(全5巻)を読了した。ああ、読み終わってしまった。
第5巻には、60ページ程度の「エピローグ」の後に、訳者・亀山郁夫による「ドストエフスキーの生涯」「解題」が収録されているが、それはまた別の機会に取り組んでみたい。
本書は名訳として評判が高いようだが、本当にそうなのかは、少し疑問がある。もちろん原文と対比しているわけではないから、誤訳が多いとかいうつもりはない。確かに語り口は平易だが、ときどき「えっ」という感じで、少し前まで戻って読み直さすことが何度かあったのが、少し気になった。最近、ビジネス書や技術文書などを速読することが多いので、その影響かもしれない。ま、単に読者の読解力がないからかもしれないが…。
とにかく長い間楽しめるので、娯楽としてのコストパフォーマンスは抜群に高いと言える。未読の人は、この「世界最高の小説」に挑戦してみてはいかがでしょう。