地下鉄の座席にかけていると、向かいの席にレギンスをはいた女性が二人いた。レギンスというのは、水戸黄門でうっかり八兵衛らが着用しているような下穿きといったらわかるだろうか。
不思議なことにほとんどの場合、それらは黒い。そのため、酷暑のなか、一層暑苦しく感じられる。太い足の場合はなおさらだ。ま、どうみても夏向きではないので自重してほしい。
レギンスって、昔はスパッツと呼んできた記憶があるが、なにがどう変わったのだろう。それとも単に呼び方が変わっただけで中身は同じなのか。わからん。
しかも黒いのはなぜか。カラフルなレギンス(?)というのも見たことあるが、着用者は例外なくアレなオバサンなので、少なくとも東京では、ほとんどが黒だと思ってまちがいなさそうである。
そんなことを考えてながら、「週刊現代」(2008年7月12日号)を眺めていると、「その人、独身?」(酒井順子)で、「レギンスに欲情できるか」というエッセイを見つけた。「欲情できるか」と訊かれれば、「その人次第だよ」と答えるしかないけど、それよりも「見ていて暑苦しいだよ」と思う、ある夏の日であった。