退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

第二次世界大戦終結への道

ヒストリーチャンネルのドキュメンタリ「第二次世界大戦終結への道」(全26回)を見る機会があった。これは第二次世界大戦終結までの半年間を、1週間単位で検証していくという企画。まず感じたのは実写映像の持つ迫力である。これだけの映像が残っていることには驚かされる。

ただ番組は終始、連合国側(主に米国)の視点からで語られており、日本人としては納得できないことも多い。連合国側の退役軍人が多数登場して、個々のイベントに対し証言をしている。個々人にはそれぞれ戦争を通してさまざまな葛藤があっただろうけど、それでもバイアスがかかっているなと思わざるを得ない。

特に「日本本土への無差別爆撃」「広島・長崎への原爆投下」は、いかなる物言いをしても正当化できないと思うが、番組では米国の国益優先であっさり切り捨てられている。ま、戦争というのは、そうしたものだということだろう。まが、この番組自体は、それぞれのテーマを深く取り上げることなく、淡々と時系列で起きたことを紹介していくというスタイルをとっている。それが却って戦争について考えさせる結果となるようにも感じた。

また番組では、「兵器解説」「人物紹介」といったコーナーもあり、娯楽性を高めているのも特徴といえる。兵器の解説をする人の吹き替えが印象に残るが、あれはないだろう。

番組の中で、焦土と化した東京の映像が流れた。文字通りの焼け野原だ。敗戦後60余年を経て、繁栄を享受する東京の街を都庁展望室から眺めながら、先人たちの労苦に思いを寄せてみた。