退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

読書

【読書感想】青山繁晴『誰があなたを護るのか――不安の時代の皇』(扶桑社、2021年)

「皇位継承問題」をマンガでわかりやすく解説した本。原作は青山繁晴、作画は ヒロカネプロダクション。紙幅の半分程度がマンガ、残りは解説と資料集という構成。いろいろな気付きがあった。誰があなたを護るのか――不安の時代の皇作者:青山 繁晴扶桑社Amazon…

商品情報誌「特選街」の休刊号を読む

2021年11月号(21年10月1日発売)をもって、休刊となった商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を読んでみた。特選街 2021年11月号 [雑誌]マキノ出版Amazon休刊となったのは知っていたが、図書館のラックに「休刊になった」というラベルがあったので、あら…

雑誌「映画秘宝」の千葉真一追悼特集でしんみりした話

年末になって思い起こすと、今年も若い頃に影響を受けた人たちが鬼籍に入った。今年いちばんショックだったのは、新型コロナウイルス感染症による千葉真一さんの死去。さまざまなメディアで追悼企画が組まれたが、マニアックな映画雑誌「映画秘宝」(2021年11…

【読書感想】『なぜデジタル政府は失敗し続けるのか 消えた年金からコロナ対策まで』(日経BP、2021年)

この本は、これまで失敗し続けてきた政府系の情報システム関連のプロジェクトを紹介しながら総括を試みている。なぜデジタル政府は失敗し続けるのか 消えた年金からコロナ対策まで作者:日経コンピュータ日経BPAmazon「消えた年金」「特許庁システム刷新の失…

【読書感想】小林よしのり、宮沢孝幸『コロナ脳: 日本人はデマに殺される』(小学館新書、2021年)

2021年4月に出版された、日本で起きているコロナ騒動を憂う著者2人による対談本。現在、日本では緊急事態宣言も解除されて、落ち着きを取り戻しつつあるが、今年春あたりのマスコミが「コロナは怖い、コロナは怖い」と煽っていたことを思い出しながら読むと…

【読書感想】近田春夫『筒美京平 大ヒットメーカーの秘密』(文春新書、2021年)

昨年10月に死去した稀代の作曲家・筒美京平の評伝。近田春夫ほど筒美京平を論じるのに適した人物はいないだろう。筒美京平 大ヒットメーカーの秘密 (文春新書 1325)作者:近田 春夫文藝春秋Amazonこれまで筒美京平の楽曲にフォーカスした論評は数多く出ている…

柴門ふみのコミック『同窓生 人は、三度、恋をする』を読む

柴門ふみのコミック『同窓生 人は、三度、恋をする』(新装版・上下巻)を読了する。同窓生 人は、三度、恋をする〈新装版〉 (上) (ビッグコミックススペシャル)作者:柴門 ふみ小学館Amazon同窓生 人は、三度、恋をする〈新装版〉 (下) (ビッグコミックスス…

【読書感想】峰宗太郎、山中浩之『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』(日経プレミアムシリーズ、2020年)

新型コロナを扱った本を何冊か読もうと思い手にとった本のひとつ。この本を選んだのは、周囲で評判が高かったためだが、約1年前に出版された本であり、日本でのワクチン接種が本格的に始まっていない時期であることは留意したい。新型コロナとワクチン 知ら…

柴門ふみのコミック「あすなろ白書」を読んでみた

柴門ふみのコミック「あすなろ白書」(文庫版・全4巻)を読んでみた。1992年から1993年にかけて雑誌「ビッグコミックスピリッツ」に連載され、1993年にテレビドラマ化されてフジテレビ系の「月9」枠で放送されている。女子大生・なるみを中心にした男女5人に…

【読書感想】木村盛世『新型コロナ、本当のところどれだけ問題なのか』(飛鳥新社、2021年)

新型コロナを扱った本を何冊が読もうと思い、この本を手に取ってみた。専門的知見に裏打ちされた論考を興味深く読んだ。政府発表やマスコミの煽りだけでは得られない情報があった。新型コロナ、本当のところどれだけ問題なのか作者:木村 盛世飛鳥新社Amazon…

【読書感想】安積明子『眞子内親王の危険な選択』(ビジネス社、2021年)

いま話題の眞子内親王の結婚問題を論じた本。筆者は、表紙に「皇統を揺るがす一大事」とあるように皇室を大切に考える立場である。眞子内親王の危険な選択作者:安積 明子ビジネス社Amazon小室圭氏が米国から帰国したニュースを聞きながら本書を読んだ。筆者…

【読書感想】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書、2020年)

スウェーデンの精神科医によるベストセラー。「スマホ脳」というタイトルはインパクトがある。コピーライターはお手柄。スマホ脳 (新潮新書)作者:アンデシュ・ハンセン新潮社Amazon現代の生活では手放せなくなったスマホ。そのスマホにより引き起こされる、…

よしながふみのコミック「大奥」を読了する

よしながふみによる、少女漫画「大奥」(全19巻)を読み終えた。隔月刊誌「MELODY」での連載期間は2004年から2021年に及ぶ。ジャンル分けするのが難しい作品である。時代劇でもあり、歴史改編SF、またジェンダー作品とも言えるかもしれない。2010年に実写映…

【読書感想】野原広子『離婚してもいいですか? 翔子の場合』(KADOKAWA、2018年)

夫が大嫌いなのに家族のために自我を抑えて笑顔で暮らす主婦を描いたコミックエッセイ。離婚してもいいですか? 翔子の場合 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)作者:野原 広子KADOKAWAAmazon画のタッチは好みで読みやすいが、内容はひたすら暗い。もっ…

コミック『美味しんぼ』/山岡と栗田が結婚するエピソードまでたどり着いた

ABEMAでアニメ『美味しんぼ』をエンドレスで配信している。私も面白く見ていたが、何周かしてさすがに飽きた。そこでこれまで断片的にしか読んでいなかった原作コミックを通読することにした。昨年秋から読み始めて、ようやく山岡士郎と栗田ゆう子が結婚する…

【読書感想】澤田晃宏『東京を捨てる-コロナ移住のリアル』(中央新書ラクレ、2021年)

コロナ禍で地方移住への関心が高まっていることを背景に、コロナ移住者や移住支援機関、地方自治体などを取材した本。地方移住に関する実用的な情報も提供していて、ガイドブックとしても読める。東京を捨てる-コロナ移住のリアル (中公新書ラクレ 726)作者:…

「ミュージック・マガジン」誌の特集「追悼・筒美京平」を読んでみた

お盆休みの間、積ん読になっていた雑誌「ミュージック・マガジン」(2020年12月号)を読んだ。昨年10月に亡くなった作/編曲家=筒美京平の追悼特集。日本一のヒットメーカーであり、音楽誌で取り上げられるのも当然だろう。ミュージック・マガジン 2020年 12…

篠原健太のコミック『彼方のアストラ』を読んでみた

篠原健太によるコミック『彼方のアストラ』(全5巻)を読んでみた。アニメ化作品を見て、原作漫画を読んでみたくなり紙の本を手に取ってみた。本作は2016年から2017年にかけてウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』で連載されていたSF冒険マンガ。最終…

【読書感想】近田春夫『調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝』(リトル・モア、2021年)

近田春夫さんは高校時代に私に影響を与えたひとり。この本は、その近田さんの幼少期から現在までの半生を語りおろしている自伝。読者にフランクに語りかけるスタイルは構成者の功績だろうがとても読みやすい。調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝作者:近田 春…

【読書感想】パーカー『ひとりの時間が僕を救う』(KADOKAWA、2020年)

YouTubeで人気の博している、ぼっち系大学生パーカーさんの初エッセイ本。ひとりの時間が僕を救う作者:パーカーKADOKAWAAmazon飾らない文章がなかなか読ませるが、「哲学」というほどの深い内容はない。YouTube動画で断片的に知っているパーカーさんの生い立…

【読書感想】天真みちる『こう見えて元タカラジェンヌです』(左右社、2021年)

めっちゃ売れているというので手に取ってみた。表紙のインパクトがすごい! カメラマンのセンスもすごい!こう見えて元タカラジェンヌです作者:天真みちる左右社Amazonタイトルどおり、宝塚歌劇団花組で活躍した天真みちる(てんまみちる)さんが自身の宝塚時…

西村大臣、酒類提供について「金融機関から働きかけて」と発言(恐怖政治の萌芽)

西村康稔経済再生担当相は9日の閣議後記者会見で、酒類の提供停止に応じない飲食店に対し、取引金融機関から順守を働き掛けてもらう方針を示した。この会見で「店舗の情報を関係省庁、金融機関とも共有し、金融機関からも応じてもらえるように働き掛けを行…

【読書感想】堀江貴文『死なないように稼ぐ。: 生き残るビジネスと人材 』(ポプラ新書、2021年)

コロナ禍のもとでのホリエモンの本。タイトルが熱い。死なないように稼ぐ。: 生き残るビジネスと人材 (ポプラ新書 ほ 1-5)作者:堀江 貴文ポプラ社Amazon前半は堀江氏が経営に携わっているパン屋や焼き肉屋の話題を中心に、持ち前のマーケティング手法や経営…

【読書感想】野原広子『妻が口をきいてくれません』(集英社、2020年)

WebサイトでPVを集めたコミックエッセイの書籍化。サラリーマンの夫と専業主婦の妻、そして子ども2人の四人家族。大喧嘩したわけでもないが、ある日から妻が口を聞いてくれなくなる。家事や育児はフツーになしているが、夫との会話は最小限度にとどまり、妻…

【読書感想】高松平藏『ドイツの学校には なぜ 「部活」 がないのか』(晃洋書房、2020年)

タイトルに惹かれて手に取ってみた。日本では、部活における指導者の体罰や部活内のいじめなど、さまざまな問題が生じている。加えて部活の指導を行う先生たちの労働環境も悪化し、学校が「ブラック職場」とされる事態となっている。ドイツの学校には なぜ …

石ノ森章太郎のコミック「仮面ライダー」を読む

現在、TOKYO MXで特撮ドラマ「仮面ライダー」が再放送されている。すでに「ゲルショッカー」が登場する話数まで進んでいるので、残りわずかである。このテレビ放送に触発されたこともあるが、ふと思うところがあって石ノ森章太郎のコミック「仮面ライダー」…

【読書感想】宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書、2019年)

センセーショナルなタイトルと帯に惹かれて読んでみた。著者は医療少年院に勤務経験がある児童精神科医。いまは大学教員という安楽椅子にどっかと座っている。ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)作者:宮口 幸治発売日: 2019/07/12メディア: 新書読者の…

【読書感想】加藤一二三『だから私は、神を信じる』(日本キリスト教団出版局、2020年)

「ひふみん」の愛称で広く親しまれる伝説の棋士・加藤一二三がキリスト教の魅力を伝える本。だから私は、神を信じる作者:加藤一二三発売日: 2020/09/25メディア: 単行本筆者の輝かしい将棋人生の支えたのは信仰だったいう。「キリスト教の信仰によって、私の…

ムック『宇宙刑事ダイナミックガイドブック』(編・杉作J太郎)を読んでみた

80年代の東映特撮テレビシリーズ「宇宙刑事ギャバン」「宇宙刑事シャリバン」「宇宙刑事シャイダー」は、メタリックボディのヒーロー像、独特な世界観で強烈な印象を残し、いまなお絶大な人気を博している。偶然、宇宙刑事のムックを見つけて手にしてみた。…

【読書感想】酒井大輔『ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか 』(日経BP、2020年)

よく言えば「ワークマン」のサクセスストーリーと言えるが、語弊をおそれずに言えば「提灯記事」を延々と読まされている気分になる本。いいことしか書いていないので物足りない。物事には光と影があるはず。ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで…