退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

中央大学法学部が都心回帰するらしいケド…

数日前のYahoo!ニュースで“中央大学の誇り「法学部」の都心移転が巻き起こす私大文系の乱“という記事があった。とくに注目していなかったが、中央大学もようやく都心回帰するのかと思って斜め読みしていた。

その後、少し古い「週刊東洋経済」の特集記事「MARCH大解剖」をつらつら読んでいると、やはり中大法の移転にふれていた。一体どこに移転するのかと思いじっくり読んでみた。

新キャンパスは茗荷谷

中大法の移転先は文京区茗荷谷。都バス大塚車庫の跡地を東京都から定期借地権を取得したようだ。場所は以下のとおり。

そんなに広くないのでビルキャンになりそうだ。しかも全学年を収容できずに、1年時は後楽園キャンパスで学び、2年次以降新キャンパスとなる茗荷谷キャンパスで学ぶことになる。ロースクール駿河台の新キャンパスに移転する。

狭いことは狭いが茗荷谷は周りに大学などの教育機関がいくつもある文教地区であり、立地は悪くない。公園が近くにあるのも好条件。もっとも周辺環境が一変する近隣の住民はどう思うかわからないが……。

まあ広々とした郊外キャンパスより狭くても都心キャンパスのほうが、学生に圧倒的に人気があるのだから仕方ない。

法学部だけ都心に移転して副作用はないのか

法学部は中大の看板学部であることは間違いないが、法学部だけ都心回帰することを他学部の関係者はどう思っているのだろう。大学に見捨てられと思い心穏やかではないだろう。

文系学部がひとつのキャンパスに集まっていたからこそ醸成されたサークルなどの学生文化もあるだろうが、これは維持できるのだろうか。「学部割れキャンパス」がどのように大学のカルチャーに影響が出るのか見ものである。

もっとも商学部や経済学部なども都心回帰を模索しているとの情報もあるが、都心の大学定員を増やさないという国策とどのように折り合いをつけるのだろうか。

23区の大学定員増員を認めないというルールは?

東京一極集中を塞ぐために、文部科学省は23区の大学の定員を当面増やさないとう方針を打ち出している。中大法の茗荷谷キャンパスが稼働するのは2023年からであるが、この国策に反しないのだろうか。

中大の政治力でねじ込んだのかよくわからないが、素人には、なぜ移転できるのだろうと不信に思う。政治家との癒着などがないか、文春砲が事実関係を洗ってほしいものである。

とにかく動きが遅い中大経営陣

いずれにせよ中大の大学経営陣は動きが遅い。他の有力私大がとっくに都心回帰を達成しているのもかかわらず、ようやく移転を発表するという体たらく。まあ他大学のように都心に校地をほとんど残さず、八王子に移転してしまったとう前世代の経営陣の失策の後始末をしているとも考えられる。

まあ腐っても鯛、天下の中央法は都心回帰で復活する可能性が高いだろうが、大学全体としてのブランド力はどうなるのか。壮大な実験として野次馬としても興味深い。

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