退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『香港パラダイス』(1990) / 斉藤由貴主演のスラップスティック・コメディ映画のはずが……

神保町シアターの《年末特別企画 私をバブルに連れてってII バブリー映画特集》で映画『香港パラダイス』(1990、監督:金子修介)を鑑賞。主演は斉藤由貴。ちょっとレアな作品。

新米ツアーコンダクター(斉藤由貴)が香港行きを命じられて、そこで秘宝「キング&クイーン」をめぐる争いに巻き込まれれるというアクション・コメディ。

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洒落たスラップスティック・コメディを撮ろうとしたのだろうが、まったく成功していない。突き抜けてなく中途半端な「おバカ映画」になっている。まあ斉藤由貴がこんな映画に出ていたというだけで、お宝映像としての価値があるが、映画としては大して面白くない。

ダメな点を上げればキリがないが、まず「香港パラダイス」というタイトルにもかかわらず、すぐに東京に戻って、そこでストーリーが展開すること。舞台を香港に絞って、じっくり一本撮ってほしかった。

また相手役の小林薫のキャラクターに魅力がない点も残念。これは役者のせいというより、脚本や演出に問題があるように思われる。情けない三枚目に徹してほしかった。

あえて見どころをさがせば、やはり主演の斉藤由貴だろう。チャイナドレスやバブル期を象徴するミニスカ・ボディコンの衣装を着用し、胸の谷間や美脚を惜しげもなく披露している。往時のファンは楽しめるのではないか。

さらに自己催眠にかかった斉藤がジェイソンばりにチェーンソーを振りまわすシーンは
インパクトはあるが意味不明。印象に残るシーンであるがコメディとしてもなにか大事なものが欠けている。

こんなおかしな企画が通るところは、「バブリー映画特集」にふさわしとも言える。

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