退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」を見ました

DVDで土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」(全8話)を鑑賞。NHK総合で2017年に放送された時代劇ドラマ。原作は髙田郁による時代小説。脚本は藤本有紀。主演は黒木華

大坂に生まれた少女・澪(みお)は天災で両親を失い天涯孤独になるが、偶然出会った料理屋「天満一兆庵」の女将・芳(安田成美)に助けられ、江戸で料理の腕だけを頼りに生きていくことになる。澪(黒木華)が、さまざまな苦労しながらも一流の女料理人として成長していく物語。

時代劇だが派手なチャンバラはなく、江戸の人情と笑い、そしてオリジナルの創作江戸料理が見どころ。原作小説では文字だけだった料理が映像化されているのは美点。上方と江戸の食文化にちがいも興味深い。

劇中の料理シーンは黒木自身が吹き替えなしで演じているとのこと。ただし、ハモを捌くシーンはさすがに苦戦していた様子でちょっと面白かった。各話本編のあと、黒木が着物姿で現代のキッチンに立ち、本編に登場した料理のレシピを紹介するコーナーはユニーク。

今回のようなひたむきな優等生のキャラクターを演じると黒木は上手い。裏返せば色気がないとも言えるが、劇中ではモテモテだ。浪人姿で来店するが実は幕府の要職を担う小松原(森山未來)や町医者の永田源斉(永山絢斗)に好意を寄せられる。個人的には、主人公の幼なじみである、吉原の花魁・あさひ太夫役に成海璃子が出ていたのもよかった。

時代劇では武家物でチャンバラがある作品が好きだが、こうしたグルメ・人情モノもたまにはいい。続編を見たいと思ったが、年末に「みをつくし料理帖スペシャル」らしい。楽しみにしたい。

みをつくし料理帖 DVD-BOX