退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

コミック「翔んで埼玉」との再会

魔夜峰央のコミック「翔んで埼玉」を読んだ。雑誌「花とゆめ」(白泉社)で1982年から1983年にかけて3回に分けて連載されたギャグ漫画。懐かしく読んだ。

今年、まさかの実写映画が公開されてヒットして話題になった。私は未見であるが、別の映画を見にシネコンに行ったとき、『翔んで埼玉』のチケットが売り切れになっていて、「すごいなぁ」と思ったことを覚えている。


二階堂ふみ×GACKT主演!映画『翔んで埼玉』予告編

この漫画は埼玉県をボロカスにおちょくる作品であり、県庁所在地が浦和になっていたり時代を感じさせる。それでも魔夜先生のギャグセンスは時代を越えて、いま読んでもも面白い。

もっとこの作品は「未完の漫画」となっていて、あとがきにその経緯がまとめてあった。新潟から所沢に「上京」した魔夜は、自分が住んでいる埼玉県をディスる分には心は傷まないが、やがて魔夜が横浜に転居したあとは、埼玉県を悪くいうことはできない、ということを書いている。

結局、漫画は打ち切られたので、埼玉デュークという伝説の埼玉県民なるキャラクターは名前だけの登場となっているが、実写映画版では姿をあらわすとのこと。あまりにバカバカしく封切り時には映画館に行かなかったが、惜しいことをしたかもしれない。はやくAmazonプライム・ビデオで配信してほしいものだ。

この漫画は35年以上前の作品だが、首都圏における埼玉県の扱いは今も昔もあまり変わらないようだ。細く言えば路線ごとにもずいぶん印象がちがう。「沿線民俗学」という言葉もあるぐらいなので、地域ごとのちがいを掘り下げてほしかった。それだと首都圏の読者以外は置いてきぼりになってしまうだろうか。

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