【映画感想】『未来のミライ』(2018) / 細田守監督の最新作だけど……。

まったく予習しないでアニメ映画『未来のミライ』(2018年)を見た。大好きな『サマーウォーズ』の細田守監督の最新作。タイトルからミライという人物が主人公かと思ったがハズレ。

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ちいさな甘えん坊の男の子・くんちゃん（声：上白石萌歌）が主人公。産まれてきた妹・ミライに両親の愛情を奪われて戸惑う。ある日、セーラー服のお姉さん（声：黒木華）がくんちゃんの前に現れるが、このお姉さんはミライが成長した姿だった……。

「未来のミライ」予告

映像は相変わらず素晴らしく技術力は認めざるを得ない。ただしポイントになるシーンはそれぞれに見応えがあるが、長編アニメーションとしての大きな流れがなくつながりが見えない。何を言いたいの分からない。これは劇場映画にするほどの話なのだろうかという疑問が残った。作家性が強すぎたいうと好意的すぎるだろうか。

くんちゃんのような子どもの育児に追われる親世代には刺さるという声もあったが、どうなのだろうか。個人的にはまったくピンとこなかった。くんちゃんをウザいとすら思ったしまったのは、ここだけのヒミツである。もっと普遍的なテーマを扱うべきだろう。

それでも、くんちゃんが鉄道好きであることと、近未来の東京駅の描写は、鉄道が好きとしては加点したい。映画自体は退屈だったが、終盤の東京駅のシーンを大きなスクリーンで見たら、それなりに満足して劇場をあとにできたかもしれない。