日本政府は、2日、貿易管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」のリストから、韓国を除外する政令改正を閣議決定した。政令は7日に公布され、28日に施行される。韓国には、これまでの半導体材料3品目に加えて、多くの品目に輸出規制が課せられる。
先ほど、輸出貿易管理令の改正が閣議決定されました。
— 世耕弘成 Hiroshige SEKO (@SekoHiroshige) August 2, 2019
これにより韓国向け輸出には、一般包括許可が適用出来なくなるとともに、キャッチオール規制の対象となります。今後7日に公布、28日に施行されます。
このことにより、1965年の日韓国交正常化以来、日韓関係はサイアクの状態となった。日本政府は、この措置は安全保障上の懸念があるからだと説明しているが、その背景には、第2次世界大戦中の日本企業による韓国人徴用工問題があることは明らかである。さらに遡れば、竹島問題といわれる領土問題、すでに解決したはずの慰安婦問題の蒸し返し、レーダー照射事件など日韓の間で放置されてきた数々の問題も大きく影響している。
従来、日本政府は、韓国政府の無礼極まりない態度に対して、ただただ「遺憾砲」を撃つばかりでだったが、さすがに日韓請求権協定締結で解決済みである「徴用工問題」で日本企業に韓国内の資産が処分されるなどの実害が出るにあたり、ついに安倍首相の堪忍袋の緒が切れたというかっこうだ。
世耕弘成経産相と河野太郎外務相が弁が立つというのも、この問題を先鋭化している。まあ閣僚がこれぐらいできて当然だという気もするが、旧来のボンクラ大臣たちに比べると言説にキレがあって、毅然とした態度が感じられる。なるほど、今回の「ホワイト国」からの除外の報に、「酒がうまい」と喝采を送るネトウヨも少なくない。
ここで心配になるのは、日韓関係の悪化はどこに行き着くのだろう、ということである。どこまで行けば正常化できるのだろう。このまま韓国とは一定の距離を保つという考え方もあるが、隣国は選べないし、安全保障上の同盟国ということもある。安倍首相は、落とし所をどこに考えているのか気になるところである。
さらに心配になるのは、不測の事態による武力衝突である。感情にまかせた韓国軍が自衛隊機を撃墜するという事態もあるかもしれない。そうなると日韓関係の亀裂は決定的なことになる。まあそうならないうちに早めに沈静化してほしいものである。
アメリカによる仲裁で手打ちにすれば良さそうなものだが、さすがに今回はアメリカも及び腰であまり期待できない。韓国経済が破綻して、ムン大統領が政権を追われれば落ち着くんだろうか。いずれにせよ、あまり大事にならないことを期待したい。