朝ドラ「まんぷく」は、2018年下半期放送のNHK「連続テレビ小説」第99作の作品。脚本は福田靖(作)。大阪局制作は地雷が多いが無難な出来だった。ヒロインは安藤サクラ。
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このドラマは、インスタントラーメンを生み出した日清食品創業者の安藤百福とその妻・仁子(まさこ)の半生をモデルにしている。2014年下半期に放送された朝ドラ「マッサン」と同じような創業者ものだ。夫婦愛を描く点も似ている。
実在の人物がモデルだと、めちゃめちゃな話にできないという制約もあるのだろう。インスタントラーメンとカップヌードルという新商品の開発物語に、主人公や家族の心温まるエピソードを絡めていくというありきたりの構造で意外性はない。
それでも創業者・立花萬平(長谷川博己)がまんぷく食品を起業するまでに、食塩をつくるビジネスをしていたり、信用金庫の理事長を務めたりする経歴は知らなかったし、GHQに逮捕されて収監されていた過去もユニークで興味深く見た。
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このドラマの最大の特徴は、ヒロインに安藤サクラが起用され、史上初の「ママさんヒロイン」だったことだ。朝ドラヒロインと言えば、若手女優の登竜門という位置づけだったが、今回は異色のヒロインだ。たしか演技は上手いし話題作りには成功したかもしれないが、やっぱりオーディションで有望な若手を発掘して抜擢してほしいものだ。子役が出なかったのも残念だった。
他の女優陣に目を向ければ、松坂慶子がヒロインの母を演じて「武士の娘ですから」という決めゼリフ(流行らなかったけど)を言ってみたり、内田有紀がヒロインの姉を演じて序盤で病死するも何度も「幽霊」として登場したりして、個人的には満足だった。
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終盤「まんぷくヌードル」(カップヌードルのこと)の商品化に向けて、さまざまな困難を克服していく過程は既定路線だがやはり面白い。商品が画期的であるだけに、掘り下げればもっとネタがありそうだ。映画化しても面白いと思う。