退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『クワイエット・プレイス』(2018) / 音を立てたら死んじゃう映画

新文芸坐で『クワイエット・プレイス』(2018年、監督:ジョン・クラシンスキー)を鑑賞。アイデア勝負のB級ホラー映画。キャッチコピーは「音を立てたら、即死。」主演はエミリー・ブラント

宇宙から突如襲来したエイリアンにより全世界は恐怖に陥る。エイリアンは鋭敏な聴覚を持っていて音に反応して人間を捕食していた。そのなかを生き残っていたアボット家は、隠れ家で音を立てずに手話を使って生活していた。ある日、物資調達のため廃墟となった街に出かけるが、その途中で長女リーガンの不注意のため末子のボーが犠牲になってしまう……。


A Quiet Place (2018) - Official Trailer - Paramount Pictures

エイリアンに気づかれないように音を立てずに意思疎通をはかる家族。手話に字幕がついている不思議な映画。低予算のB級ホラー映画だが、このアイデアは面白い。個々のエピソードにも脚本の冴えを感じる。「釘」のシーンは必見。

映画のなかで、どのようにして人類がこのような状況に置かれたのか、他の人類はどうなったのかなどいっさい説明がない。ただエイリアンに怯える一家が登場するだけである。「軍隊は敗北したのか」「政府は何をやっているのか」などツッコミどころは多い。

f:id:goldensnail:20190215073732j:plain

ラストの「俺たちの戦いはこれからだ」というオチは仕方ないのだろう。未来への希望として好意的に受け止めたい。制約の多い低予算映画にしてはよくできている。お決まりの家族愛もよく描けているし、後味も悪くない。優等生的な映画である。

f:id:goldensnail:20190215071926j:plain