退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『怪獣総進撃』(1968) / 怪獣たちがジュラシックパークに大集合だ!

新文芸坐のオールナイト《新春新文芸坐バラゴンまつり+1》で、映画『怪獣総進撃』(1968年、監督: 本多猪四郎)を鑑賞。怪獣ブームに翳りが見えていたころのゴジラシリーズ第9作。企画当初は『怪獣忠臣蔵』という仮題がついていたという珍作。

20世紀末、人類の脅威だった怪獣たちは小笠原諸島のある島(怪獣ランド)に集められて管理・研究されていた。しかし火星と木星の間からキラアク星人が来襲し、怪獣たちをリモートコントロールして世界各地を破壊させる。地球侵略作戦の開始である……。


【公式】「怪獣総進撃」予告 総勢11怪獣が暴れまくるゴジラシリーズの第9作目。

シリーズ低迷期のためか何でもありの怪獣総出演のシナリオ。キラアク星人のネーミングも「吉良+悪者」からとられたもので、「怪獣忠臣蔵」の名残りだという。そもそも畏怖の対象であるべき怪獣たちが、ジュラシックパークのように人類に管理されているも納得できないし、その経緯も明らかにされない。しかも怪獣たちを封じ込めている設備がしょぼい。映画を見た子どもも「そんな装備で大丈夫か?」と思ったことだろう。

ラスト近くでキラアク星人はキングギドラを登場させ、ゴジラモスラたち地球怪獣との戦いになる。大好きなキングギドラの登場に気持ちは盛り上がるが、またたく間に間に地球怪獣たちに袋叩きにされて「討ち取られて」しまう。キングギドラの扱いがひどくて悲しくなる。

この映画の怪獣たちは冴えないが、月と地球を往復しながら活躍する、調査用宇宙艇SY-3号はなかなかカッコいい。当時の宇宙開発ブームを反映したものだろうが、かつての東宝特撮映画を彷彿とさせてくれる。

ちなみにバラゴンの存在は地味だ。宇宙人に操られてパリで暴れるシーンがあるが、よく見るとバラゴンではなくゴロザウルスである。どうもスーツが修理中で間に合わなかったらしい。マイナー怪獣の悲哀を感じさせるエピソードである。

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