退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

特別展「王立宇宙軍 オネアミスの翼 展」 @八王子市夢美術館

八王子市夢美術館で開催中の特別展「王立宇宙軍 オネアミスの翼展 SFアニメができるまで」を観てきました。ちょっとした小旅行でした。

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後にテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(1995-1996年)をつくり一大ブームを巻き起したスタジオ・ガイナックスが、1987年に手がけて劇場公開されたアニメ映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(監督:山賀博之)を紹介する展示会です。

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この映画の舞台は地球によく似た異世界にあるオネアミス王国。人類初の有人宇宙飛行をめぐる青春群像劇です。この異世界の設定は多岐にわたる分野で綿密な考証がなされ作品にリアリティを与えています。この展示会ではこの設定資料がメインです。

またクライマックスのロケット発射シーンの作画が最大の見どころ。手描きアニメの頂点と言ってもよい作画です。やや無理やりな印象もありますが、発車シーンに向けて物語が収斂していく流れも勢いがあります。

この展示会の大半は膨大な数の設定資料で占められています。この素材資料をつくったのは、当時無名だったアニメーターや学生だったといいます。この素人集団が劇場公開アニメ映画に挑むのは、まさに「王立宇宙軍」で描かれた青春群像そのものと言えるでしょう。

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膨大な設定資料は見応えがあるものの、惜しむらくはスタッフたちの顔があまり見えてきません。若いスタッフたちが等身大の青春群像を描くという当時の制作風景が見えてくる展示があれば、もっとよかったかもしれません。

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会場ではパイロットフィルムのほか、山賀監督のインタビュー映像を見ることができます。このインタビューは約25分の長さですが、ぜひ時間をとって全部観てほしいものです。いろいろ発見があると思います。

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なお順路の最後でプロジェクターにパイプ椅子という環境ですが、アニメ全編が上映されていました。展示を見た後にアニメ本編を見るのも一興です。ぜひ上映スケジュールをチェックして、時間に余裕をもって出かけるといいでしょう。

会場が八王子だったので行こうか悩みましたが、はるばる訪れてよかったです。80年代アニメに興味がある方にオススメです。

(おまけ)
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