退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

藤田嗣治展 @東京都美術館

東京都美術館で開催中の「没後50年 藤田嗣治展」を見てきました。時代に翻弄された画家・藤田嗣治レオナール・フジタ 1886-1968)の回顧展です。今年2018年は藤田が他界して50年目にあたり、彼の画業を余すことなく展覧する回顧展が企画されました。これほど網羅的に作品が揃う機会は二度とないかもしれません。

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藤田の代名詞ともいえる「乳白色の下地」による裸婦画のコーナーには10点以上の作品が集められて壮観でした。そして戦後、戦争責任を問われることになる太平洋戦争期の作戦記録画も見逃せません。

もっと知りたい藤田嗣治 ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

さらに、おかっぱ、丸眼鏡、ちょび髭、金色のピアスで自らをブランディングした自画像の変遷も興味深いです。現代でもいそうな風貌であり時代を感じさせないセンスに驚かされます。

Vie Et Oeuvre De Leonard-Tsuguharu Foujita

藤田はパリとネコが好きというイメージがあります。どうして国内で絵画を学んでいる時期にもパリ留学を志していたようです。何故にそこまでパリに惹かれたのかまでは今回の展示会ではわかりませんが、興味のあるところです。実態パリに行ったあとも失望することなく、戦後はフランス国籍を取得して、彼の地で没しています。

ネコが頻繁に登場するのも彼の作品の特徴です。ネコをモチーフにした作品は実にモダンで現代でも人気を博しそうです。実際、物販コーナーは異常なまでの過熱ぶりで、たいへん商売繁盛してる様子でした。しりあがり寿がデザインしたキャラクターもいいですね。

これから見るひとは藤田嗣治の人生をざっくりでいいので頭に入れておくとより楽しめると思います。ただし混雑は覚悟してください。もっと平日遅くまで開場してくれればいいのですが……。

さてやや余談になりますが、藤田嗣治の生涯は、小栗康平監督により伝記映画『FOUJITA』(2015年)で映像化されています。藤田を演じたのはオダギリジョー。あまり見る機会のない映画かもしれませんが、展示会を見たあとで映画を見るといろいろ発見があるかもしれません。今回の展示会とタイアップしてどこかの映画館で上映すればいいのにと思いましたが、残念ながら私のアンテナには引っかかりませんでした。残念。

FOUJITA