退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

国立映画アーカイブ、転売屋に大いに怒る

国立映画アーカイブ(旧・東京国立近代美術館フィルムセンター)がチケット転売に対して怒りのメッセージを発している。これは珍しい。映画『2001年宇宙の旅』の70mm版で上映する特別イベントのチケット転売についてである。

http://www.nfaj.go.jp/ge/topics/20180905/www.nfaj.go.jp

ふだんは"高尚なプログラム"を上映してお高くとまっている国立映画アーカイブにとって、転売屋が暗躍するような人気イベントの興行をうつ機会は、これまでほとんどなかったと思われる。今回は利用者(納税者)からのクレームで問題が顕在化したものだろう。転売屋も目ざといなとあらてめて感心する。

まあ公共性の高い独立行政法人としては、利用者からのクレームが最も怖いはずだ。自らの上映企画において、転売屋ごときに安々と暴利を貪れたとあったは沽券にも関わる。なによりも利用者が適正な料金で鑑賞できないとなると、何のための公共機関かわからない。ひいては存在意義を問われかねないからだ。

2001年宇宙の旅 (字幕版)

今回転売チケットにどのくらい厳しく対応するのだろうか。徹底的にやるのならばネットオークションに流れたチケットや、チケットショップに並んだチケットの座席番号を無効化して、「入場お断り」とするのだろう。さらに座席に「この座席は転売チケットで無効化されました」と張り紙しておけば効果絶大だろう。

エンターテイメント業界と転売屋(ダフ屋と言い換えてもいい)との戦いは熾烈を極めている。顔認証の導入や、入場時の本人確認などさまざまな手法が試されている。転売チケットに厳しく対処する興行主のイベントは、転売屋の排除について実績をあげているという。
映画のイベントで転売屋のターゲットになることは少ないのだろうが、まったく無防備でチケット販売した興行主もずいぶんとナイーブである。今後同じようなことを繰り返さないために厳しく対処してほしいものである。


2001: A SPACE ODYSSEY - Trailer