退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『グレイテスト・ショーマン』(2017) / 実在の興行師の成功を描くミュージカル映画

新文芸坐で映画『グレイテスト・ショーマン』(2017年)を見てきた。マイケル・グレイシーの初監督作品。主演はヒュー・ジャックマン。19世紀に実在した興行師、P・T・バーナム(Phineas Taylor Barnum, 1810-1891)が「サーカス王」として成功するまでを描くミュージカル映画

ミュージカル映画は難しい。たしかにミュージカル・パートの音楽と映像は圧倒敵で快楽に溢れている。大胆にCGに導入して、これでもかというほどゴージャスな映像がスクリーンに展開される。これを見るだけでも満足ともいえる。

しかし尺が短いこともあるが、伝記映画としては物足りない。歌っているうちに、いつの間にか問題が解決するなど、ドラマとしてこれでいいだろうかと思う場面もあった。ミュージカル映画は、ミュージカルパートとドラマが両輪のようであってほしい。

まあ、こういうミュージカル映画があってもよいが、よくできたミュージックビデオを続けて見せられている気分になる。


The Greatest Showman | Official Trailer [HD] | 20th Century FOX

せっかくP・T・バーナムを描くのだから、もっとドロドロとした伝記映画にしてほしかった。必ずしも史実にとらわれることもないが、実際のP・T・バーナムはかなりクセが強く、かなりやばい人だったようだ。この映画では個性的なサーカス団員と心を通わせるなど「いい人」が強調されているが、なにか違うような気がする。

エンドロールのあと、短いメイキング映像(ワークショップの一部だろうか?)が付いていた。珍しいが必要だったのだろうか。

グレイテスト・ショーマン (字幕版)