退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018) / ロン・ハワード監督の西部劇

近くのシネコンで『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年、監督:ロン・ハワード)を見てきた。上映終了が迫っていたが、館内は結構混んでいた。本作は「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフ作品の第2作。過去のシリーズでハリソン・フォードが演じたハン・ソロの若い頃が描かれる。時期は「新たな希望」の10年ほど前にあたる。

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー オリジナル・サウンドトラック

ハン・ソロオールデン・エアエンライク)が、相棒チューバッカ、愛機ミレニアム・ファルコンとその所有者ランドと出会い、そしてブラスターをゲットして、ついには愛機を自分のものにするまでの経緯が描かれる。いくらなんでも詰め込みすぎ。

急遽、監督がロン・ハワードに交代したと聞いていたので心配していたが、1本のアドベンチャー映画としては十分面白い。ウェスタン調のSF映画だが、ロン・ハワードが撮る西部劇が面白くないはずがない。十分な準備はできなかっただろうが、ベテランらしく無難にまとめている。

しかしスター・ウォーズ映画としての評価はどうかというと微妙。もっともハン・ソロの若き日を描くのは、スター・ウォーズ映画と言えるだろうかという疑問もある。そもそも企画自体に無理があるのではないか。スピンオフ第1作『ローグ・ワン』はスター・ウォーズの設定を借りているが、比較的自由に映画が撮れたので成功したように思う。キャラクターは後々登場したら困るので、後腐れなくなく皆殺しにされてしまったが……。

一方、主要キャラクターのハン・ソロの前日譚を描くとなると、そういうわけにはいかない。過去シリーズとの整合性にも配慮しなければいけないし、すでに述べた詰め込みすぎの設定をいちいち説明しなければならない。とても大きな制約があったはずだ。これは撮る側は大変だ。

スピンオフで過去シリーズのイベントを結んでいくのは興味深い作業であるが、ファンはそれを望んでいるのだろうか。ハッキリさせないでボカしておいたほうがいいこともあるのではないか。そんなことを思った。


Solo: A Star Wars Story Official Trailer

ラストにはヒロインのキーラ(エミリア・クラーク)がモール(!?)のもとに向かうという続編への伏線もあったが、興行成績が芳しくないとのことで、ディズニーはスピンオフの計画を見直すというニュースも聞こえてきている。果たして続編はつくられるのだろうか。

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