退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

悲劇のアイドルグループ、セイントフォーをSpotifyで見つけた

80年代のアイドルグループ、セイントフォーが今年復活した。テレビ朝日などの地上波の番組に出演したのを見て驚いた人も多いだろう。セイントフォー(聖なる4人!?)というグループ名のとおり、本来4人グループだが再始動したのは3人だったのはさみしいかったが……。

はっきり言おう。当時セイントフォーは売れなかった。しかし熱心なファンがいるのだろう。解散後にリリースされたCDはプレミアムがついて高値で取引されていた。今回、再始動をきっかけにコンプリート・コレクションなるCDがリリースされ、Spotifyでも配信されたので聞いてみた。

デビュー曲「不思議Tokyoシンデレラ」が最も知られてる楽曲だろうが、その他にも「 太陽を抱きしめろ」や「ハイッ!先生」など名曲が多い。知らないも曲ありしばらは楽しめそうだ。

セイントフォーは「不思議Tokyoシンデレラ」(1984年)でデビューしたアイドルグループ。アクロバティックなダンスが売り物だった。間奏の間にバク宙まで披露するというガチすぎるパフォーマンスが話題になる。また「40億円アイドル」とも呼ばれてのも記憶に残っている。当初のメンバーは、岩間沙織浜田範子、鈴木幸恵、板谷祐三子の4人だった。デビューに合わせて主演映画『ザ・オーディション』が公開されて順風満帆で芸能界に乗り出す。

しかし、様々な「大人の事情」でゴタゴタするなか、メガネを着用していた板谷が他の事務所に引き抜かれて脱退。代わりに、いわお潤(後に主に声優として活躍する岩男潤子)が加入するも、2年あまりの活動期間を経て解散している。大人の事情に振り回されるた「悲劇のアイドルグループ」と言えるだろう。

コンプリート・コレクション 1984-1987

個人的には、素材はよかったし、本人たちもやる気もあったので、周りの大人がしっかりしていればもっと売れたグループだったと思う。様々な大人の事情によるゴタゴタは論外にしても、当時からマーケティングが時代に合っているとは思えなかった。ガチのパフォーマンスがウケる時代でなかった。根本的に売り方が間違っていたようだ。

ただし、いま彼女たちの当時のパフォーマンスを見ると、なかなかかっこいい。なによりメンバーの一生懸命さが伝わってきて応援したくなるのはすばらしい。本物志向も悪くない。これは時代が追いついたというべきか、私が歳をとったというべきか。トップアイドルにはなれなかったが、印象に残っているのは確かだし、いまでも鑑賞に耐えるという点で貴重なアイドルグループである。

ザ・オーディション [VHS]

Spotifyや動画サイトで彼女の当時のパフォーマンスに接していると、映画『ザ・オーディション』が見たくなる。ヅカ的には、北原遥子がコーチ役で出演しているのも見逃せない。いずれ神保町シアターでアイドル映画特集で上映されたらいいなと思う。