退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『勝手にふるえてろ』(2017) / 松岡茉優の初主演による妄想力爆発の恋愛映画

早稲田松竹で映画『勝手にふるえてろ』(2017年、監督・脚本:大九明子)を鑑賞。原作は綿矢りさの同名小説。松岡茉優の初主演作。原作者と主演で期待していた作品。

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24歳のOLヨシカ(松岡茉優)は、中学時代からの10年間片思いの相手イチ(北村匠海)を脳内で召喚するイタいやつだが、同期入社の暑苦しいニ(渡辺大知)に突然告白される。脳内片思いとリアル恋愛の二人の彼氏の間で揺れ動くヨシカは、イチに一度会ってみようと同窓会を企画し、ついに再会の日を迎えるが……。


松岡茉優が歌う!泣く!叫ぶ!映画『勝手にふるえてろ』予告映像

若手女優きっての演技派として注目を集める松岡茉優の初主演作だが、いい意味でヒロイン然としていないところがいい。凡庸な女優が演じると「本当のイタい娘」になっていしまいそうだが、ギリギリのバランスで演じているのはさすがというべきか。

ちなみに原作は2011年春に読んでいた。記憶は確かではないが、映像化に伴い主人公・ヨシカはかなりエキセントリックなキャラクターに翻案されているようだ。内省的な小説を映画化する場合、これぐらいしないと映画として見栄えがしないのだろう。こういうのもアリだろう。

勝手にふるえてろ

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原作者も監督も女性ということもあり、おっさんにはイマイチわからないと思うこともあるが、ある世代の女性には刺さるのだろう。ネットには「まるで私のようだ」という声もあったが、鏡を見てからにしてねと思ったものだ。

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まあ全編にわたり松岡茉優を堪能できる映画としては悪くない。ただ監督の要望に応えようといっぱいいっぱいなのが透けて見えるように思えるのは気になる。将来、彼女の魅力を引き出していくれる作品や監督に出会ってほしい。

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