退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

「大杉久美子の現在」という記事が面白かった

雑誌「新潮45」の2018年5月号と6月号に、河崎三行氏が取材した「『アニソン四天王大杉久美子の現在」という記事が載っていた。往年のアニソン歌手・大杉久美子が歌唱力を失っていたことにショックを受け、3年にわたり本人や関係者を取材してまとめたルポである。

新潮45 2018年05月号

新潮45 2018年05月号

新潮45 2018年 06月号

新潮45 2018年 06月号

大杉久美子とは、「アタックNo.1」「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」「ドラえもん」「エースをねらえ!」など、数々のヒットアニメの主題歌やエンディング曲を歌った、往年のアニメソング歌手である。ちあみに「アニソン四天王」というのは、大杉に加えて、ささきいさお水木一郎堀江美都子を指す。

筆者は、2015年にアニメソング関連のイベントを取材した際、大杉のパフォーマンスに接する。その場でオリジナル楽曲とは似ても似つかない現在の歌声にショックを受け、見るに忍びないと評し、「なぜこうなった」とばかりに本人やかつてのディレクターなどに取材している。

大杉は1951年生まれ。加齢により歌唱力が衰えるのは仕方ないというものの、他のアニソン四天王が自己研鑽を怠らず、いまだにライブでファンを魅了しているのに比べるといろいろと考えさせれる。壮年期を迎える人は自分に重ねてみることもできるだろう。

記事によれば、若いころの大杉はあまりトレーニングをしなくても歌えたのだという。たいした才能だが、そのためかトレーニングのやり方を身に付けられなかったという面もあるだろう。プライベートでは、すでに孫がいるなど歌手としてよりも家庭人としての比重が高いらしい。

最近では歌唱力が衰えたこともあり、ステージに呼ばれることもなくなり、いまは堀江美都子がプロデュースする「アニソン女子部」ライブに、年一度、出演する程度だという。そのステージでも、あまりの歌唱力のなさに主メロディーにコーラスをかぶせられる始末。

西葛西のロイヤルホストで行われた最後のインタビューでは、大杉はボイストレーニングを始めると言い出し、やる気を見せる。かつての歌声を取り戻すことができるのだろうか。その成果を確認することもなく記事は終わる。顛末が気になる。

余談だが、5月号分を「読み切り」かと思って読んでいると稿末に(つづく)とあって、「え、つづくんかい」と思い、雑誌を放り出した。タイトルに「前編」と付けるのを忘れていたのだろうか。困ったものだ。


大杉久美子 よあけのみち フランダースの犬 迫力のかわいい50名合唱隊 パトラッシュ