退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

シネマヴェーラ渋谷が入れ替え制に

名画座シネマヴェーラ渋谷」が、7月21日から二本立てから一本立て・入れ替え制に移行しました

シネコンでは全席指定・入れ替え制で上映されていますが、名画座では伝統的に二本立てのスタイルで上映していることがあります。この場合、基本的に自由席・入れ替えなしで2本の映画を交互に上映します。ちなみに浅草界隈の名画座では三本立てで上映していた映画館もありました。

ですので、二本立ての映画館に朝一番からその日の上映終了まで滞在することも可能です。学生時代、涼を求めて映画館に長期滞在した人もいるのではないでしょうか。まあ、いまどきの学生は娯楽も増えて、エアコン完備のワンルームで暮らししているでしょうから、名画座で一日過ごす学生もいないでしょうが……。

今回、シネマヴェーラ渋谷は、《女優 有馬稲子》の特集上映を最後に、一本立て入れ替え制に変更されました。ビジネス的にどちらが収益性が高いのかわかりませんが、料金は、会員の場合、1本で800円となります。これまで2本で1100円だったので、2本見るとかなり割高に感じます。一方、一本立てにすることでプログラム編成の柔軟性が高くなるというメリットは期待できそうです。

個人的には二本立ての魅力は「映画との思いがけない出会い」にあると思います。なんらかの引っかかりのある作品をあると映画館まで見に行くわけですが、その作品より期待していなかった併映作品のほうがよかったということを何度も経験しました。

一本立て入れ替え制となると、そうした出会いもなくなると思うと寂しいものがあります。せわしない現代社会においては仕方ないことなのかもしれません。

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