退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『アンストッパブル』(2010) / 暴走機関車を止めろ!

DVDで映画『アンストッパブル』(2010年)を鑑賞。トニー・スコット監督の最後の監督作品。

リストラ勧告を受けたベテラン機関士フランク(デンゼル・ワシントン)と、離婚トラブルを抱えて落ち着かない新米車掌ウィル(クリス・パイン)のコンビが強力して暴走機関車を止めるという、ありがちなストーリーだが、これがなかなか面白い。

冒頭から緩みきった、ステレオタイプのアメリカ人的な職場が登場する。そして操車場で作業員が列車を停止させずに機関車の運転席を離れるという信じられない行動に出る。他にもいくつかの要因が重なり、力行で貨物列車が暴走するというサイアクの事態に至る。大量の危険物を搭載した暴走列車777号の出来上がりだ!

「いやいや、いくらなんでもご都合主義だろ」と思いながら暴走を始めるシーンを見ていたが、あとで実際に発生した暴走事故を題材にしているとわかりビックリ! さすがアメリカと言いたいところだが、最近の日本でもこれぐらいの事故が起こってもおかしくないかも……。

よくあるタイプの映画でとくに新鮮味がないが、細かい描写を重ねて丁寧につくられている堅実な映画で好感をもてる。よくできている。列車が暴走を始めてから、テンションが高いまま維持できているのはすごい。暴走事故に、登場人物の人生模様が重ねられていく演出も陳腐であるが効果的である。

やはり主役は登場人物ではなく暴走列車そのもの。重量感、長さ、スピードがよく表現されているのが焦眉。元々横方向に長い鉄道は、映画の横長のスクリーンと相性がよい。本作でもそれが活かされていて見応えのある映像に仕上がっている。


Unstoppable Movie Trailer Official (HD)

この映画を見始めてすぐに、前に見たことがあることに気付いた。調べてみると名画座で2011年春に一度見ていた。スクリーンをいっぱいに使った列車の映像や、「キキキキィ」という軋み音などを存分に味合うには映画館で見てほしい。私にとってももう一度映画館で見てみたい映画のひとつだ。

ちなみに暴走列車のことを英語ではrunaway trainという。劇中のニュース映像で頻出していたので覚えてしまった。