退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

震災被害に立ち向かう鉄道マンの姿を描くコミック『さんてつ』がよかった!

2011年の東日本大震災で路線を多くを被災した三陸鉄道(通称:さんてつ)。地震津波の被害を克服し復旧に励む鉄道マンの姿を描くドキュメンタリー漫画です。

いまなぜ震災漫画なのか。それは最近、大型書店で本書が平積みになっていたのを見つけたからです。ビニールがかかっていて内容までは見れませんでしたが、表紙に惹かれて読んでみました。

緻密な取材を基に描かれたドキュメンタリー漫画。発災時の乗客やさんてつマンたちの視点による震災の描写は迫力があります。人それぞれの震災。

とくに震災わずか5日で運転を一部再開した三陸鉄道の社長のリーダーシップに感動しました。さらに三陸鉄道が沿線住民にいかに愛されているのかが伝わってきます。ローカル線を維持できるどうかは採算性だけでなく、住民の気持ちにかかっているのでしょう。

巻末に三陸鉄道の被災状況と復旧に関する資料が載っていますが、惜しむらくは地図が見づらい。ここはとじ込みのカラー地図をおごってほしかったです。

余談ですが、この画風は前に読んだことがあると思っていたら、『ブラックジャック創作秘話』の作者である吉本浩二だと気づきました。手塚治虫先生の創作現場を綴ったノンフィクション漫画。こちらもオススメです。

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