退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【映画感想】『パターソン』(2016) / 何も起こらない静かな映画

早稲田松竹で映画『パターソン』(2016年、ジム・ジャームッシュ監督)を見てきました。気になっていた映画でしたが、封切り時は行きそびれてようやく鑑賞しました。

パターソン [Blu-ray]

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ニュージャージー州パターソン市に住む、バスの運転手パターソン(アダム・ドライバー)が主人公。妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)と愛犬ともに平和に暮らしていた。そんな彼は仕事を着実にこなし、時々酒場に立ち寄るとうい平凡な日々を送っていた。そんな彼の趣味は詩を書くことだった。


Paterson Official Trailer 1 (2016) - Adam Driver Movie

静かで幸福な映画。特別なことは何も起こらずに静かに時間が流れていきます。なにげない日常の反復のなかに主人公の実直な人柄が描かれていきます。それぞれのシーンには緻密な計算があるのでしょうが、丁寧に撮られた「映画らしい映画」です。

ただ詩作の朗読シーンは、字幕がつくもののやはり英語圏の観客にはより訴えかけるものがあるだろうという気がしましたが、こればかりは仕方ありません。

終盤、主人公は大阪から来たという日本人の詩人(永瀬正敏)に出会います。永瀬の「アーハー」という相づちが妙にツボでした。決して流暢な英語ではありませんが、意思疎通して心の交流ができていたのは素晴らしい。

アメリカ映画といえば、銃撃戦とカーチェイスを撮らないと気が済まないと思っていましたが、よく考えてみればそんなはずもなく、本作のような静かな映画もあるのは当然です。興行を考えると上映規模は小さくなるのでしょうが、こうした映画も積極的に見ていきたいと思います。

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