退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

【読書感想】堀江貴文『好きなことだけで生きていく。』(ポプラ新書、2017年)

この本はホリエモンからの「最後通告」だという。2015年末に刊行された『本音で生きる』(SB新書)という本の続編ともいうべき本。読書メモをチェックしたら『本音で生きる』も読んでいて、気になることを書き付けていた。

この本はざっくり言えばホリエモンの生き方・働き方論である。タイトルにある「好きなことだけで生きていく」ことが幸せであることを訴え、それに共感するが初めの一歩を踏み出すことができない不器用な人たちを後押しする。そんな本だ。

この本では、堀江貴文イノベーション大学校(以下、HIU)について紙面の多くを割いている。ホリエモンが主宰するサロンをイメージしたらよいのだろうか。

堀江氏は他者におせっかいを焼くようなタイプではないと勝手に思っていたが、HIUの定例会を通して願っているのは「行動したいのにできない人が、行動できるようになることだ」という。こうしたサロンは堀江氏にとって集金システムという面もあるだろうが、他者のためにHIUを運営しているのは意外に思った。サロンでの体験が本書に活かされている。

堀江氏もこの本のすべてを読者に押し付けようとは思っていないだろうが、部分的にはなるほどと思えることがあり面白く読めた。心に留まったを以下に挙げておく。新車なのですぐに読み終えられる。ざっと目を通しても損はないだろう。

  • 働かないことは悪いことなのか (p.68)
  • なぜ大企業を信用しているのか (p.91)
  • 給料は我慢の対価ではない (p.190)

最近、国会では「働き方改革」関連法案が審議されている。しかし、この本で謳うホリエモン流の働き方は、国会での議論とは異次元の話であることが興味深い。この本に感化された多くの若者がホリエモン流の生き方を目指すようになれば、たしかに日本は変わるかもしれない。だが結果は自己責任であることは言うまでもない。

いまなお新卒者の公務員や大企業という安定性を志向する態度は根強い。ホリエモン流の生き方とはかけ離れている。数年後、この本がどのように評価されるのか気になるところである。

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