退屈な日々 / Der graue Alltag

将来の展望が見えない現代。それでも映画や本を楽しみ、ダラダラと過ごす日常を生暖かく記録する。

里見浩太朗主演の時代劇スペシャル「田原坂」で見る西郷隆盛の半生

まだまだ年末年始に録画したテレビ番組を消化中。

週末、年始に放送されていた時代劇スペシャル「田原坂」を見た。西郷隆盛の半生を描いた作品。1987年に日本テレビで放送された日本テレビ年末時代劇スペシャル。「忠臣蔵」「白虎隊」に続く第3弾。

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主演の里見浩太朗西郷隆盛を熱演。これが多くの日本人が抱く西郷隆盛のイメージであろう。これなら絶対に人望がありそうと思わせる、器の大きな人間に描かれている。まさにステレオタイプとしての西郷隆盛である。

他の出演者に目を向けると、弟・西郷従道西郷輝彦が、鹿児島県県令・大山綱良丹波哲郎が演じるなど、当時の錚々たる俳優が名を連ねていて懐かしく見れる。女優陣では、正妻・イトを秋吉久美子奄美大島の島妻・愛加那を多岐川裕美が演じて妍を競っている。

前編「英雄野に下る」、後編「桜島は死せず」の二部構成。本編時間が5時間30分に及ぶ長編。とにかく長い。後編がまるまる西郷が下野した後に割かれているので、西南戦争までの経緯や戦闘の様子がじっくり描かるかと思ったが、それでも時間が足りない。イベントが多すぎるし事態が複雑なためだろう。

タイトルの田原坂(たばるざか)は西南戦争の激戦地。ドラマも西南戦争でクライマックスを迎える。いまでは許されないほどの量の爆薬を使った戦闘シーンは見ごたえがあった。と言っても、基本的には登場人物が次々に戦死していき、最後は主役の西郷も自刃(ドラマでは切腹ではなく部下が首をはねていた)するという流れは変えようがない。

そうした悲劇的なシーンに堀内賢雄の情緒的な歌が重ねられるという、日本テレビ年末時代劇スペシャルのスタイルが踏襲されている。当時の視聴者が臨んだものだったのだろうが、いま見るとこっちが恥ずかしくなる演出である。

あと注目していたのは、西郷隆盛の死後、名誉回復がどのように行われてかという点であった。が、ナレーションであっさり片付けられていて不満。国民の人気を背景に大陸進出に利用されたという主旨だったが、もう少し詳しく触れてほしかった。

ちなみに今年の大河ドラマ「西郷どん」も、鈴木亮平主演で西郷隆盛を取り上げている。下野してから西南戦争に至るまえの経緯、そして死後の名誉回復がどのように描かれるのか注目したい。また西郷隆盛の生涯を俯瞰するには、事前に「田原坂」を見ておくといいかもしれない。

西郷どん 前編 (NHK大河ドラマ・ガイド)

余談だが、このドラマにはアイドル枠で菊池桃子が出演しているほか、個人的には戸川京子が見れてうれしかった。西南戦争で恋人を追いかけ薩軍についてくるという役。なぜか琵琶を背負っています。興味のある人はチェックしてください。

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